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肩こり向け枕の選び方

睡眠・枕・休息

いざ枕を選ぼうと売り場に足を運んでも、種類が多すぎて何を基準に選べばいいのかわからなくなる——「高反発」「低反発」「そば殻」、素材の言葉だけが並んでいて、結局いつもと同じものを買って帰る。そんな経験に心当たりがある方に向けて、研究で比較的支持されている選び方のポイントを整理しました。


結論

枕選びで比較的エビデンスが支持しているポイントは、「高さ7〜11cm程度」「輪郭のある(頭と首の形に沿う)デザイン」「熱がこもりにくい表面」の3点に加え、「素材としてはラテックスに一定の支持」があります。ただし、ラテックスは日本では低反発ウレタンやそばがらほど一般的な素材ではなく、天然ゴムアレルギーのある方は使えないため、必須条件というよりは「選べるなら検討したい候補」程度に捉えてください。これらはあくまで平均的な傾向であり、体格や普段の寝姿勢によって最適な条件は変わります。「これさえ買えば絶対」ではなく、「まずこれらの基準を確認してから、自分の寝姿勢に合わせて微調整する」という順番で選ぶのが、失敗しにくい買い方です。

この記事はこんな人におすすめ

  • 枕を買い替えたいが、何を基準に選べばいいかわからない人
  • 「高反発」「低反発」など、素材の違いで何が変わるのか知りたい人
  • 自分の寝姿勢に合った枕の選び方を知りたい人

安全のために知っておいていただきたいこと

しびれや強い痛みがある場合は、この記事を読み進める前に医療機関に相談することを検討してください。

エビデンスの要約(研究でわかっていること)

枕のデザイン(高さ・形・素材)が、首の痛みや起床時の症状、頸部の動かしにくさ、睡眠の質、背骨の並び方にどう影響するかを調べた大規模な分析では、次のような傾向が報告されています。

  • 高さ:7〜11cm程度の高さが、快適さの評価が高く、頭や首への圧力を減らし、首の筋肉の働きすぎを抑え、背骨の良い並びを保ちやすいとされています。
  • 形状:輪郭のある(頭と首の形にフィットする)デザインが支持されています。
  • 素材:ラテックス素材が、睡眠の快適さ・質の改善、首の痛みの軽減、機能面の改善において、現時点で比較的多くの裏付けを持つとされています。ただし、これらの研究は海外のものが中心で、日本の市場では低反発ウレタンやそばがらほど主流の選択肢ではなく、専門店やオンラインでの取り扱いが中心のやや珍しい素材です。また天然ゴムが原料のため、ゴムアレルギーがある方は使用できません。
  • 表面:熱がこもりにくい(冷却性のある)表面も、睡眠の質の改善に関連するとされています。

ただし、これらの効果の大きさは小〜中程度とされており、「劇的に効く」というレベルの効果ではない点も、あわせて報告されています。数字が示しているのは「傾向として支持されている」ということであり、「必ず効く保証」ではないと理解しておいていただきたいです。

作業療法士の視点

枕選びでは、素材の好みにばかり目が向きがちですが、首への負担という点では、高さが合っているかどうかのほうが影響は大きいと感じています。

柔らかい枕のほうが快適だと一般的には思われがちですが、柔らかすぎる枕は、頭が沈み込みすぎて逆に首が不自然な角度になることがあり、必ずしも身体に優しいとは限りません。

セルフケアで失敗しやすいのは、枕を柔らかさや大きさだけで判断してしまうことです。また、実店舗で試すときに、座った状態や短時間だけ頭を乗せて「良さそう」と判断してしまうこともよくあります。実際には、仰向け・横向きなど、実際に眠っているときに近い姿勢で、ある程度時間をかけて試したほうが失敗は少なくなります。

この記事で一番伝えたいのは、枕選びに「絶対の正解」はないということです。体格は人それぞれ違うので、今日紹介した基準を参考にしつつ、最終的には自分の体格に合わせて選ぶことが大切です。

もう一つ、以前、講習会で教わった方法があります。丸めたバスタオルを首の後ろに敷き、さらにもう一枚、肩の後ろにできる隙間にも敷いて、両方の隙間を埋めるようにする、というものです。肩甲骨の上のあたりは、姿勢が良い状態であっても、仰向けに寝るとベッドにぴったりとはつかず、少し浮いた状態になるのが普通です(意識して押しつければつきますが、力を抜くと自然に浮きます)。首の後ろのタオルだけでなく、この肩の後ろの隙間もあわせて埋めることで、首・肩の緊張がやわらぐ、というのが教わった内容です。仰向けの状態で関節を動かす訓練(可動域訓練)を行うときに、こうして力を抜いておくと動かしやすくなる、という文脈で教わりました。

私自身、この考え方を応用して、就寝時にも同じようにタオルを使ってみたことがあります。ただ、短時間ならよいのですが、一晩など長時間になると、寝返りのたびにタオルの位置がずれてしまい、うまく続けられませんでした。

ちなみに私自身はいろいろ試した結果、いまは『首肩快適枕プレミアム』という市販の枕に落ち着いています。この枕は、真ん中よりも両端が高くなっている形状で、横向きになったときに頭が下に落ち込まないように作られています。8箇所を自分の手で微調整できる仕組みもありますが、これはあくまで土台の形状に対する微調整で、メインはもともと首・肩に合うように設計されている点にあると感じています。タオルのように毎回位置がずれる心配がなく、自分に合う形を少しずつ探せたのが良かった点です。これはあくまで個人的な体験であり、誰にでも同じ結果になるとは限りませんが、「タオルでその都度調整するより、最初から首・肩の形状に合わせて作られた枕を試す」という選択肢も、知っておいて損はないと思います。

なぜそう言えるのか

枕の役割は、仰向け・横向きなど、寝ている姿勢に応じて頭と頸椎の間の隙間を適切に埋め、首や肩まわりの筋肉が余計な力を使わずに済む状態を保つことです。高すぎたり低すぎたりすると、頸椎が不自然な角度に保たれ続け、周囲の筋肉や関節に負担がかかりやすくなると考えられます。輪郭のあるデザインや、体格に合った素材は、この「隙間を埋める」役割をより安定して果たしやすいため、一定の効果が支持されているのだと考えられます。

ここで見落とされがちなのが、寝返りはほぼすべての人が無意識のうちに行っているということです。睡眠中の姿勢変化を調べた研究では、成人は1時間あたり平均2〜4回程度、一晩を通すと20〜30回程度、姿勢を変えていると報告されています。つまり、「自分は仰向け派だから」「横向き派だから」と一つの姿勢に決めつけている方でも、実際には一晩のうちに何度も両方の姿勢を経験しているのが普通だということです。

仰向けと横向きでは、頭とマットレスの間にできる隙間の大きさがそもそも違います。仰向けでは、首の後ろにある自然なカーブの分だけ隙間を埋めればよいのに対し、横向きでは肩の厚み(肩幅)の分だけ、頭の位置がマットレスから離れます。一つの高さの枕で両方の姿勢に対応する以上、どちらかの姿勢では多少の妥協が生まれるのは避けられません。輪郭のある形状や、ある程度の弾力を持つ素材が支持されているのも、この避けられない姿勢の変化にできるだけ追従できるようにするための工夫だと考えられます。

もう少し細かく見ると、首の後ろに隙間ができるのは、頸椎(首の骨)がもともと軽く前方向にカーブしている(前弯)ことと、後頭部は丸みを帯びているためです。仰向けで寝転がったとき、後頭部がマットレスに触れる一方で、首の後ろだけが浮いたような状態になりやすいのはこのためです。この隙間が支えられないまま長時間過ごすと、首まわりの筋肉が常に緊張した状態を保つことになり、負担が蓄積しやすくなります。

実際にできること(寝姿勢の傾向別の選び方)

前提として、「仰向け派」「横向き派」というのは、一晩中その姿勢を保っているという意味ではありません。寝つくときの姿勢や、一晩のうちで比較的長く取っている姿勢の傾向だと考えてください。誰でも寝返りで両方の姿勢を経験する、という前提で読んでみてください。

仰向けで寝つくことが多い人

比較的低め(7〜9cm程度が目安)で、頭から首にかけての隙間を埋められる高さを選びます。目安をつかむ簡単な方法として、壁を背にして、かかと・お尻・背中を壁につけて自然に立ったときの、後頭部と壁の隙間を測ってみるという方法があります。この隙間に近い高さが、仰向けで寝たときに首の後ろを支えるのに必要な高さのおおよその目安になります。

横向きで寝つくことが多い人

仰向けよりも肩幅の分だけ頭の位置が高くなるため、やや高め(8〜11cm程度)を目安にします。肩がマットレスにどれだけ沈み込むかによっても必要な高さは変わるため、体格やマットレスの硬さもあわせて考えるとよいでしょう。

どちらの姿勢を選ぶか迷う場合

寝返りは誰にでも起こるものなので、実はこの視点がすべての人に関わってきます。仰向け・横向きどちらでも極端に高さが変わらない、輪郭型やゆるやかな凹凸のある形状がおすすめです。具体的には、真ん中が低く両サイドが高くなっている形状の枕が市販でも多く見られます。低い部分が仰向け時の首の隙間を埋め、高いサイド部分が横向き時に頭の沈み込みすぎを防ぐ、という役割分担になっているため、検討してみる価値があります。

今の枕で工夫する

:今使っている枕のままでも、いくつか試せる工夫があります。枕の下にバスタオルを一枚挟めば、全体の高さを手軽に調整できます。首の後ろの隙間には丸めたバスタオルを、肩の後ろの隙間にはもう一枚タオルを差し込むと、その場での変化を確認できます。ただし肩の後ろのタオルは寝返りのたびに位置がずれやすいので、その点は理解したうえで試してください。いずれも「自分に合う高さの見当をつける」ための簡易的な試し方です。

それでも合わないと感じる人

タオルの工夫で見当がついた高さや形に近い既製品を試してみるのも一つの方法です。自分の手で高さを調整できるセミオーダー枕(オンラインで購入でき、オーダーメイド枕より価格を抑えやすいのが特徴です)や、実店舗で採寸して作るオーダーメイド枕を検討してみてもいいかもしれません。

蒸れが気になる人

通気性・冷却性のある素材を選びます。

実店舗で試せる場合

実際に横になって、首と枕の間に隙間ができていないかを確認してみてください。可能であれば仰向けと横向きの両方で試し、どちらでも大きな違和感がないかを確認すると安心です。座った状態でのチェックだけでは、実際の寝姿勢と差が出ることがあります。

やってはいけないこと

  • 高さや素材を確認せず、価格や見た目だけで選ぶ
  • 合わない高さの枕を「そのうち慣れる」と我慢して使い続ける
  • 枕さえ変えれば解消すると考え、姿勢や生活習慣の見直しをやめてしまう

受診の目安

次のいずれかに当てはまる場合は、医療機関の受診を検討してください。

  • 枕を見直しても数週間改善しない、悪化している
  • しびれ、脱力、強い頭痛を伴う
  • 夜間、痛みで目が覚めることが続く

参考文献

  1. The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. Clinical Biomechanics. 2021;85:105353.
  2. Effect of pillow height on the biomechanics of the head-neck complex: investigation of the cranio-cervical pressure and cervical spine alignment. PMCID: PMC5012320
  3. Changes in neck pain and somatic symptoms before and after the adjustment of the pillow height. J Phys Ther Sci. 2022;35(2). PMCID: PMC9889209
  4. De Koninck J, Lorrain D, Gagnon P. Sleep Positions and Position Shifts in Five Age Groups: An Ontogenetic Picture. Sleep. 1992;15(2):143-149. doi:10.1093/sleep/15.2.143. PMID: 1579788
*本記事は筆者が内容を作成し、文章の整理に一部生成AIを活用しています。最終確認は人間が行っています。
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