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肩こり向け枕の選び方

睡眠・枕・休息

いざ枕を選ぼうと売り場に足を運んでも、種類が多すぎて何を基準に選べばいいのかわからなくなる——そんな経験はありませんか。

「高反発」「低反発」「そば殻」、素材の言葉だけが並んでいて、結局いつもと同じものを買って帰ってしまう。

枕選びで最初に確認したいのは、実は素材ではなく「高さ」と「寝姿勢」です。

この記事では、研究でわかっていることと、作業療法士としての視点から、失敗しにくい枕の選び方を紹介します。


この記事の結論

  • 最初に確認したいのは、素材よりも高さと寝姿勢です
  • 仰向けと横向きでは、必要な高さが異なります
  • 7〜11cmは研究上の目安であり、万人共通の正解ではありません
  • 購入前にタオルで高さを調整すると、必要な高さを確認しやすくなります
  • 強い痛みやしびれがある場合は、枕だけで対処せず医療機関へ相談してください

この記事はこんな人におすすめ

  • 枕を買い替えたいが、何を基準に選べばいいかわからない人
  • 「高反発」「低反発」など、素材の違いで何が変わるのか知りたい人
  • 自分の寝姿勢に合った枕の選び方を知りたい人

安全のために知っておいていただきたいこと

しびれや強い痛みがある場合は、この記事を読み進める前に医療機関に相談することを検討してください(判断基準の全体は末尾の「受診を検討する目安」にまとめています)。

枕選びで最初に確認したい4つのポイント

枕は、次の4つのポイントを、この順番で確認すると選びやすくなります。素材の好みも大切ですが、まずは高さと寝姿勢を優先してください。

確認する点選ぶときの目安注意点
①高さ首や頭が不自然に傾かない体格や沈み込みで変わる
②形仰向けと横向きに対応しやすい極端な凹凸は合わないことがある
③素材好みと沈み込みを確認する柔らかすぎ・硬すぎに注意
④通気性熱がこもりにくいカバーや室温も影響する

研究ではどのような枕が支持されている?

枕のデザイン(高さ・形・素材)が、首の痛みや起床時の症状、頸部の動かしにくさ、睡眠の質、背骨の並び方にどう影響するかを調べた大規模な分析があります。ここからわかっている傾向を、4つに分けて紹介します。

高さ

7〜11cm程度の高さが、快適さの評価が高く、首の筋肉の働きすぎを抑えやすいと報告されています。

ただし、この数値は研究で検討された条件の目安であり、すべての人に当てはまる正解ではありません。体格、頭や首の形、肩幅、マットレスや枕自体の沈み込み、測定方法によって、実際に必要な高さは変わります。

輪郭のある形

頭と首の形にフィットする、輪郭のあるデザインが支持されています。首まわりの隙間を安定して埋めやすいことが理由と考えられます。

ラテックス素材

ラテックス素材は、睡眠の快適さや首の痛みの軽減について、比較的多くの研究の裏付けがあるとされています。

ただし、これらの研究は海外のものが中心です。日本では低反発ウレタンやそば殻ほど一般的な素材ではなく、専門店やオンラインでの取り扱いが中心です。天然ゴムが原料のため、ゴムアレルギーがある方は使用できません。「ラテックスを選ぶべき」という結論ではなく、選べる状況であれば検討したい候補の一つです。

熱がこもりにくい表面

熱がこもりにくい表面も、睡眠の質の改善に関連するとされています。

いずれの効果も、大きさは小〜中程度とされており、劇的に効くというレベルではありません。

仰向けと横向きで必要な高さが違う理由

枕の役割は、寝ている姿勢に応じて、頭と頸椎の間の隙間を適切に埋めることです。

仰向け

仰向けでは、頸椎(首の骨)が軽く前方向にカーブしている(前弯)のに対し、後頭部は丸みを帯びています。このため、後頭部がマットレスに触れる一方で、首の後ろだけが浮いた状態になりやすくなります。この隙間を支えることが、仰向けの枕の役割です。

横向き

横向きでは、仰向けよりも肩幅の分だけ、頭の位置がマットレスから離れます。マットレスへの肩の沈み込み方によっても、必要な高さは変わります。

寝返りにも対応する

睡眠中は、何度も姿勢が変わります(1時間あたり2〜4回程度、一晩で20〜30回程度という報告があります)。一つの寝姿勢だけで枕を選ばないことが大切です。

真ん中がやや低く、両端がやや高いような、姿勢の変化に対応しやすい形状もあります。

寝姿勢別・枕の選び方

仰向けで寝つくことが多い人

  • 比較的低め(7〜9cm程度が研究上の目安)から試す
  • あごが胸側に押されていないか確認する
  • 首の後ろに大きな隙間がないか確認する
  • 頭だけが沈み込みすぎていないか確認する

壁を背に立ち、後頭部と壁の隙間を確認する方法もあります。ただし、これは枕の高さを正確に測定する確立した方法ではなく、おおまかな体格の参考として確認する程度に捉えてください。

横向きで寝つくことが多い人

  • 肩幅の分だけ高さが必要(8〜11cm程度が研究上の目安)
  • 頭が左右に傾かないか確認する
  • マットレスの沈み込みも考える
  • 肩への圧迫感も確認する

仰向け・横向きの両方を取る人

  • 真ん中と両端の高さが違う形を検討する
  • 両方の姿勢で大きな違和感がないか試す
  • 寝返りしやすさを確認する
  • 極端な高さや凹凸を避ける

購入前に今の枕で試せること

方法1:枕全体の高さを調整する

  1. 枕の下に薄いバスタオルを1枚入れる
  2. 起床時の首・肩の状態を確認する
  3. 一度に大きく変えず、少しずつ調整する

方法2:首の後ろの隙間を支える

  1. タオルを細く丸める
  2. 首の後ろに入れる
  3. あごが上がりすぎたり下がりすぎたりしないか確認する

肩の後ろへタオルを入れる場合(注意)

この方法は、もともとは、仰向けで関節を動かす訓練(可動域訓練)の際に、力を抜きやすくする目的で使われる方法で、一晩の睡眠に適した方法として研究で確認されたものではありません。

寝返りのたびに位置がずれやすいため、長時間の使用は強くすすめません。違和感や痛みが出た場合は、すぐに中止してください。

実店舗で枕を試すときのチェックポイント

  • 仰向けと横向きの両方で試す
  • 数秒ではなく、可能な範囲で少し時間をかける
  • あごが上がりすぎ・下がりすぎていない
  • 頭が左右に傾いていない
  • 首だけでなく肩の圧迫感も確認する
  • 寝返りがしにくくない
  • 返品・高さ調整制度を確認する(一般的な購入時の注意点です)

素材別の特徴

素材主な特徴確認したい点
低反発ウレタンゆっくり沈み込む沈み込みすぎ、蒸れ
高反発ウレタン反発力があり形が戻りやすい硬さ、圧迫感
パイプ通気性と高さ調整のしやすさ音、感触
そば殻通気性があり硬め衛生管理、アレルギー
ラテックス弾力性がある重さ、におい、ゴムアレルギー

上記のうち、研究で直接確認できているのは「高さ」「輪郭のある形状」「ラテックス」「通気性のある表面」です。それ以外(低反発・高反発・パイプ・そば殻の特徴)は、一般的に知られている商品特性であり、本記事の参考文献が検証したものではありません。

作業療法士として考えるポイント

枕選びでは、素材の好みにばかり目が向きがちですが、首への負担という点では高さが合っているかどうかのほうが影響は大きいと感じています。柔らかい枕のほうが快適だと思われがちですが、柔らかすぎると頭が沈み込みすぎて、逆に首が不自然な角度になることがあります。

店頭で試すときは、座った状態や短時間だけで判断せず、実際に眠っているときに近い姿勢で、ある程度時間をかけて確認したほうが失敗は少なくなります。

枕選びに絶対の正解はありません。体格は人それぞれ違うので、今日紹介した基準を参考にしつつ、最終的には自分の体格に合わせて選ぶことが大切です。

それでも合う枕が見つからない場合

タオルの工夫や既製品を試しても合わないと感じる場合は、次のような選択肢もあります。

  • 高さ調整できる既製品
  • 自分の手で調整できるセミオーダー枕(オンラインで購入でき、オーダーメイド枕より価格を抑えやすいのが特徴です)
  • 実店舗で採寸するオーダーメイド枕
  • 返品・再調整制度がある商品

価格が高いほど必ず優れているとは限りません。

私は高さを細かく調整できる枕も使用しています。実際に使った感想や気になった点は、こちらで詳しく紹介しています。

マイ枕(首肩快適枕プレミアム)レビュー|作業療法士が1ヶ月使ってみた
朝起きた瞬間から首や肩がこわばっている。横向きで寝ると首がつらくて、気づけば腕を下に敷いた「腕まくら」の体勢になり、今度は腕がしびれている——そんな夜を何年も過ごしていませんか。私自身、長らく普通の枕でそんな状態を繰り返していました。高さを...

枕選びで避けたいこと

  • 価格や見た目だけで選ぶ
  • 素材名だけで決める
  • 仰向けだけ、横向きだけで確認する
  • 痛みが強まっても使い続ける
  • 枕だけで肩こりが解決すると考える
  • 初日だけで必ず合わないと判断する(身体が慣れるまで、多少の時間がかかることもあります)
  • 強い違和感を「慣れ」だと考えて我慢する

受診を検討する目安

  • 首や肩の痛みが続く、または悪化している
  • 腕や手のしびれがある
  • 脱力感がある
  • 強い頭痛を伴う
  • 外傷後に症状が出た
  • 発熱や体調不良を伴う
  • 夜間の強い痛みで目が覚める状態が続く

枕を見直しても改善しない場合だけでなく、上記のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することを検討してください。

まとめ

  • 枕選びでは、素材より先に高さと寝姿勢を確認する
  • 仰向けと横向きでは必要な高さが異なる
  • 7〜11cmは研究上の目安であり、万人共通ではない
  • 購入前にタオルで少しずつ高さを試す方法がある
  • 枕だけで肩こり対策を完結させない
  • 強い症状がある場合は医療機関への相談を検討する

まずは今夜、仰向けと横向きの両方で、頭が大きく傾いていないか確認してみてください。

参考文献

  1. The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. Clinical Biomechanics. 2021;85:105353.
  2. Effect of pillow height on the biomechanics of the head-neck complex: investigation of the cranio-cervical pressure and cervical spine alignment. PMCID: PMC5012320
  3. Changes in neck pain and somatic symptoms before and after the adjustment of the pillow height. J Phys Ther Sci. 2022;35(2). PMCID: PMC9889209
  4. De Koninck J, Lorrain D, Gagnon P. Sleep Positions and Position Shifts in Five Age Groups: An Ontogenetic Picture. Sleep. 1992;15(2):143-149. doi:10.1093/sleep/15.2.143. PMID: 1579788
*本記事は筆者が内容を作成し、文章の整理に一部生成AIを活用しています。最終確認は人間が行っています。
この記事をかいた人
作業療法士(OT)
sai
sai

作業療法士のsaiです。医療・リハビリテーションの現場で17年以上にわたり患者さんの支援に携わってきました。このブログでは、作業療法士としての知識や経験も活かしながら、「身体や生活の負担を減らして、毎日の暮らしをすこしラクにする」ための工夫やグッズを紹介しています。

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